おすすめの和歌と漢詩

 

これもいろいろな意味で忘れられない和歌と漢詩です。
私にとって。

 

  寂蓮 『さびしさはその色としもなかりけりまき立つ山の秋の夕暮』
  西行 『心なき身にもあはれは知られけりしぎたつ澤の秋の夕ぐれ』
  藤原定家 『見わたせば花も紅葉もなかりけり浦のとまやの秋の夕ぐれ』

  一番好きな歌は、定家の夕暮れです。


 

 

陶淵明:雜詩其一

  人生無根蔕  人生 根蔕なく
  飄如陌上塵  飄として陌上の塵の如し
  分散逐風轉  分散し風を逐って轉じ
  此已非常身  此れ已に常の身に非ず
  落地爲兄弟  地に落ちては兄弟と爲る
  何必骨肉親  何ぞ必ずしも骨肉の親のみならんや
  得歡當作樂  歡を得なば當に樂しみを作すべし
  斗酒聚比鄰  斗酒 比鄰を聚めよ
  盛年不重來  盛年 重ねては來たらず
  一日難再晨  一日 再びは晨なりがたし
  及時當勉勵  時に及んで當に勉勵すべし
  歳月不待人  歳月 人を待たず

  人生根もなくへたもない
  道にさまよう塵あくた
  時の流れに身をまかすだけ
  しょせんこの身は常ならず
  同じこの世に生まれりゃ兄弟
  えにしは親より深いのだ
  楽しい時には歓んで
  友達集めて飲もうじゃないか
  若いときは二度とはこない
  朝が一日二度ないように
  生きてるうちが花ではないか
  歳月人を待たないぜ

   <訳:川島雄三

「栄光なき天才たち」10巻・川島雄三 集英社



 



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